ルールエンジンの活用事例|AIとの関係とメリット・デメリット

企業において、業務知識の可視化やノウハウ等の組織資産化は非常に重要な取り組みです。そこで、現在多くの企業はこれらを実現するためにルールエンジンを活用しています。

ルールエンジンを活用することで、属人化を防ぐことができたり、企業価値を高めたりすることが可能です。また、高度な意思決定を自動で行えるようになります。そのため、実際にルールエンジンの利用を検討している方も多いのではないでしょうか。

今回は、ルールエンジンの基礎知識とメリット、活用事例をご紹介します。興味のある方はぜひ参考にしてください。

ルールエンジンの基礎知識

まずは、ルールエンジンの基礎知識について解説します。

ルールエンジンとは?

ルールエンジンとは、企業組織のビジネスルールをプログラム化したアプリケーションのことです。社員のノウハウや知識、経験をルールベースに蓄積し、それを自動的に取り込んでソリューションの意思決定をします。ルールベースの「ルール」は業務上で定義されている「守るべきこと」と考えるとわかりやすいでしょう。また、一般的にルールエンジンは、Reteアルゴリズムを採用しています。

ルールエンジンはBRMSを構成する要素のひとつです。BRMSとは、ビジネスルールマネジメントシステムの略称で、ルールエンジンを利用して企業のビジネスルールを管理したり、実行したりするソフトウェアを意味します。BRMSは、ルールエンジンとビジネスルールを管理するリポジトリ、ルール編集及び管理ツールで構成されるシステムです。業務アプリケーションからビジネスルールを独立させることができるため、変更・メンテナンスがしやすいというメリットがあります。また、複雑で高度化したルールにおいても適切な結論を出すことが可能です。例えば、法改正に合わせて業務フローの設定を変更しなければならないケースにおいても容易に対応することができます。

ルールエンジンと機械学習型AIの関係

次に、ルールエンジンと機械学習型AIの関係性について解説します。

ルールエンジンは、人間が人力で知識を集めて、作成されたデータベースの中から情報を取捨選択して結論を導き出します。つまり、人間の知識に依存するシステムです。新しい知識はその都度ルールベースに追加されるという仕組みになります。また、結論に至った経緯も調べることが可能です。ルールエンジンは、人とAIが協調して結論を導き出すため、協調型AIと言われます。また、蓄積された知識からビジネスルールの仮説を立てて、新たな結論を推論するため推論型AIにも位置づけられるソフトウェアです。そして、この協調型AIと推論型AIは今まさに注目されています。
機械学習型AIは、データから規則性や関係性を探し、機械自らが判断をしたり、予測したりするAIのことです。人が関わらないため、人間目線からは得られない結論を導き出せるという特徴があります。一方、得られた知識を具体的に知ることができないため、結論の経緯が明確ではないという点がデメリットです。

ルールエンジンのメリット・デメリット

ルールエンジンには、メリットとデメリットがあります。ここでは、具体的にどのような魅力があり、そして何に注意しなければならないのか解説しますので、ぜひ参考にしてください。

メリット

メリットは下記の3つです。

●法律や業務ルールの変更に素早く対応できる

1つ目は、法律の改正や業務ルールの変更に素早く簡単に対応できることです。ビジネスフローとビジネスルールはそれぞれ独立しており、分離して管理することができます。もし、法律が改正されたり、ルールが変わったりした場合、変更しなければならない箇所はビジネスルール部分のみです。アップデートやメンテナンスに手間がかからないため、開発コストやランニングコストを抑えることができます。

●組織内の知識を資産化できる

2つ目は、企業組織内の知識を資産化できることです。法令や社内規定、社員の経験値やノウハウをデータベースに蓄積させることができます。これにより、知識の属人化を防ぐことが可能です。
知識の属人化を防ぐことで、万が一担当の社員が出社できない場合でも代わりの社員がその業務をスムーズに引き継げます。つまり、担当社員がいないことで業務がストップすることがありません。また、ルールベースを確認すれば、どのように業務を遂行すればいいのかがわかります。最終的に、誰が業務を行っても同じ結果になるため、高品質の業務やサービスを提供できたり、品質を担保しやすくなったりするでしょう。そのほかにも、属人化を防げるため、社員が休暇を取りやすい環境を提供できます。そのため、働き改革にも一役買ってくれるでしょう。

●業務効率化につながる

3つ目は業務効率化につなげられる点です。蓄積された業務知識は再利用することができます。例えば、フロントオフィス部門がバックオフィス部門の業務知識を再利用するなどです。これにより、顧客からのお問い合わせに対して専門外の担当者が回答を提示することができます。専門部署にわからないことを聞いたり、顧客からの電話を別の部署につないだりする必要がないので、顧客満足の向上も期待できるでしょう。
また、ゼロベースからシステムを構築する必要がないのでビジネススピードを速められるという点もメリットです。

デメリット

ルールエンジンのデメリットは、ルールに沿わない行動がとりにくい点です。ルールエンジンは、人間が作ったルールに当てはめて結論を導き出したり、推測したりします。そのため、内容が事前に決められていないと対応することができません。例えば、ルールエンジンで構築したチャットボットは言葉のゆらぎに対応しにくくなります。

そのほかにも、データからさらに効率的なルールを作り出せないことはデメリットです。そのため、データから新たに規則性を見出して結論を求める機械学習型AIとは異なります。

ルールエンジンの主な活用例

では、実際にどのようなシステムに使われているのでしょうか。ルールエンジンの主な活用例を解説します。

●勤怠管理システム

1つ目は、勤怠管理システムです。勤怠管理システムは、出社や退勤の時刻を記録したり、休暇を申請したりする勤怠管理業務を支援するアプリケーションのことを意味します。ルールエンジンの社内ルールを活用することで、細かく規定することが可能です。
例えば、残業時間を計算する場合、就業時間が17:00ならそこから退勤までカウントします。休憩時間なども同様に計算することが可能です。社内ルールをもとに細かく決めることができるため、ルールエンジンを活用している勤怠管理システムはたくさんあります。

●保険の見積もり・加入審査

2つ目は保険料の見積もりや加入審査です。顧客によって変動する要因と照らし合わせて保険料の算出や加入の可否を決めることができます。例えば、車両保険の場合、運転履歴や車両情報、ドライバーの年齢等で保険料が何%になるのかを結論づけるのです。あらかじめデータとして条件を用意しておき、変動する要因に合わせてどの条件に該当するのかを調べて算出します。

●課金計算

3つ目の活用例は、課金計算です。定められたルールや顧客の利用頻度から、利用料金を算出します。
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SIOS bilinkの特徴は、顧客ごとに細かい計算を自動化できることです。これにより、人力でそれぞれの顧客に対応しなくても自動で処理されるため、ヒューマンエラーなど人力で起こる例外的な事象の発生を抑えられたり、社員の負担を軽減することができたりします。また、本製品は、定額制や従量制など、あらゆる課金パターンに対応しており、さらにさまざまなパターンを組み合わせて利用することができます。課金に特化したルールエンジンの導入を検討している方は、SIOS bilinkのWebサイトをチェックしてみてください。

魅力がたくさんある!ルールエンジンを利用しよう

企業がルールエンジンを活用することで、業務効率化や顧客満足度の向上など、さまざまなメリットを獲得することができます。そのため、まだ導入していない場合、取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか。